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≪初立池ダム インプレッション≫
多くのダムを見て目が肥えてきた人には少し物足らないただのアースダムです。しかしこのダムで見てもらいたいのは堤体だけでなく、豊川用水全般です。豊川用水の過去から未来、上流から下流、縦横の軸で知るときに人間と水の切っても切り離せない歴史を知ることになるでしょう。 |
≪初立池ダム ポイント≫
【豊川用水のターミナル】 宇連ダム、大島ダムから始まった豊川用水の最後の調整池になります。ここから取水した水は渥美半島の先端まで届けられます。この地まで訪れて実感していただきたいのは、渥美半島全般に渡って水が無いことです。※以前の記事ではポンプアップで池に水を送る記述がありましたが誤りでした。情報を下さった方、ありがとうございました。 |
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堤体本体は中央遮水式アースフィルダムです。非常用洪水吐が自由越流式、洪水時に流入量が増えたときには使われるようです。 ダム湖には近年立て替えられた取水塔があります。古い取水塔の跡もわずかながら見えます。本堤の対岸には副堤があります。山を挟んで本堤と副堤で湖を作ったということになります。(画像をクリックすると拡大されます) |
本堤下流側には木で”はつたちいけ”の文字が書かれています。堤体に木で文字が書かれているのは、割と珍しいです。三好池のようにコンクリートか石で文字が書かれているのは時折見るのですが。 |
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ダムのすぐそば(というかダムの下流斜面脇)に遺跡があります。東大寺瓦窯跡(がようあと)とありますが、鎌倉時代の東大寺再建の時に瓦をここで焼いたということです。”がよう”に振り仮名が無いと読めないですね。ダム敷地内に遺跡があるのも珍しいですね。 |
非常用洪水吐。調整池なのですが洪水時には幹線水路から水があふれないようにこの池から緊急放流が行われることがあるようです。放水路が溢れたことも過去にはあったそうです。減勢させるために洪水吐の末端に傾斜が付いていて水がたまっているのでしょう。※地元の方から情報をいただきました、ありがとうございました。 |
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手前にあるのが非常用洪水吐。植物がすくすくと育っています。その奥には近年の改築事業により新築された取水塔。その左にある浮き輪のようなものが旧取水塔跡。ダム湖の一番奥には副堤が見えます。(画像をクリックすると拡大されます) |
本堤の上は車では通行できませんが、ウォーキングコースとして整備されています。水資源機構のダムは、きちんとダムと人とが共生できるように開放してくれているのがうれしいですね。 |
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石碑が見えます。もう少し足を踏み入れやすいところにあれば、調べたのですが今回は石碑があったことすら忘れていました。 |
本堤から下流の様子。風力発電の風車が見えます。渥美半島は風が強いので風車が数多く建設されています。(画像をクリックすると拡大されます) |
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副堤。傾斜コア型アースダムです。コアとなる不透水部はダム湖側に傾いていますが、そのまま不透水部がダム斜面からダム湖のある程度底のほうまで接続しているようです。万場調整池にしても止水にアスファルトを使うくらいなので、このダムも止水には神経質に設計されて作られているのかもしれません。(画像をクリックすると拡大されます) |
ダム湖側から見た本堤。真冬で風も強いような中ですが、釣りをしている人がいました。魚を誰かが放流したのか、あるいは豊川の魚がここまで流れてきたのかもしれません。あるいは真名川ダムのようにダム湖に毒物を入れられたかを調べるためにあえて魚を放流しているのかもしれません。 |
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本堤の正面に見える山の左手にある”伊良湖ビューホテル”です。眺めも良く、ものすごく立派なホテルですが残念ながら泊まったことはありません。きっと初立ダムの眺めも良いのでしょうね。 |
本堤の正面に見える山の右手にある”伊良湖ガーデンホテル”です。眺めも良く、ものすごく立派なホテルですが残念ながら泊まったことはありません。初立ダムの眺めはビューホテルに一歩及ばずと言った所でしょうか。 |
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初立ダムの近くは風力発電の風車がたくさん立っています。渥美半島を一周するだけで何十基もの風車を目にします。 |