ダム名 真名川ダム (まながわだむ)
形 式 不等厚アーチ 九頭竜川水系真名川にかかるダム
所 在 福井県大野市下若生子 Yahoo地図
目 的 洪水調節、不特定用水、発電 管理 国土交通省
印象(5段階) 眺望(5段階) 観光(5段階) 交通(3段階) 堤 体 積 507,000 m3
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 総貯水容量 115,000,000 m3
着工年 1967年 堤 高 127.5 m 有効貯水容量 95,000,000 m3
竣工年 1977年 堤頂長 357.0 m 体 積 能 力 226.8244576
着工→竣工期間 10年 縦横比 2.80 体積有効能力 187.3767258
関連リンク 日本ダム協会 ダム便覧”真名川ダム”  

上記表は日本ダム協会のホームページにある”ダム便覧”を参考に作成されています。
縦横比=堤頂長/堤高 この数値が大きいほど横長です。1より小さいと、いわゆる縦長ダムです。
体積能力=総貯水容量/堤体積 1m3の堤体材料でどれだけの水を支えているかを表す数値です。
                       この数値が大きいほど、少ない堤体材料で多くの水を支えていることになります。
                       体積有効能力は有効貯水容量で割った数値です。
縦横比、体積能力、体積有効能力は私の個人的な興味で割り出した数値であり、土木の世界で使われているものではありません。
着工→竣工期間は着工、竣工年の単純な引き算しかしていません。着工、竣工ともに年度での数値なので実際の期間とは誤差があります。


≪真名川ダムのある町の紹介&ダムまでの道≫
 大野市は福井県東部のに位置する、福井県全体の5分の1の面積を持つ福井県最大の市です。市全域が特別豪雪地帯に指定されるほど水が豊かな土地であり、この土地にまつわる電源開発の話は興味深いものです。
 真名川ダムへは国道157号線を山の方へと進めましょう。途中大きなアーチダムを見ることができるので、迷うことはありません。


≪真名川ダム インプレッション≫

 国道を走らせていると突如姿を現す真名川ダムです。堤高127.5mは日本では8番目に高いものです。アーチ式で歪曲しており、大きな鳥が翼を広げたような強烈な包まれ感を体感することができます。
≪真名川ダム ポイント≫
【下流側に噴水】
 ダムに噴水と言えば、ダム湖内に設けられた水質保全のための噴水ですが、真名川ダムは下流に噴水が設けられています。これは真名川ダムから下流の水力発電所までの無水区間解消のための河川維持放流のようです。


 クレストゲート4門、オリフィスは2門、ホロージェットバルブが1門あります。左岸側に取水口があり、ここから下流の真名川発電所へ導水されます。途中でバイパス水路が設けられており、ダム直下で噴水などで放流されます。
 真名川ダムから4,5kmほど下流の風景。左手の3条ほど見える水圧鉄管が五条方発電所で、中島発電所の放流水から来ています。右手の1条の水圧鉄管が真名川ダムから取水している真名川発電所です。鉄管の一番上よりも少し高いところが真名川ダムの水の高さということになります。

 麻那姫像。金箔仕上げの超豪華な像です。金箔としては独占的な生産量を誇る石川県金沢市(国内シェア98%)も近いので、これだけの装飾を行えたのかもしれません。
 真名川ダムの上流側。オリフィスゲート、バルブの位置にコースターゲートがあります。撮影日は7月15日でダム湖の水位の高さは第一期制限水位となります。8月1日から9月30日までは第二期制限水位まで下げられ、天端よりも50mも低い位置までしか水を貯めることが出来なくなります。

 取水口。ここから表層取水して真名川発電所へと送られます。発電所の放流水の一部は農業用水としても活用されるために、ダム湖表面の温かい水を取水するようになっています。
 天端から見たダムの下流。減勢工がダムの規模のわりに可愛らしく見えます。ちなみに減勢工から堰堤までの水たまりは漁業権が及ばないために、遊漁証がいらないらしいです。(ただし危険な行為なので勧められません)

 平日で職員さんの都合がつく場合はダムの内部を見学することも可能です。今回は運よく飛び入りで見学させて頂きました。(もちろん事前に連絡したほうが良いです)あまり見たことがない角度からダムを見ることが出来て新鮮です。
 噴水の口元。ダムからの水圧で噴き出しているので、水位が高ければもっと噴水が高く上がるのだろうと予測できます。水力発電所もこれだけの力でタービンを回しているのだと思うと何となく力強さが納得できます。

 ダムの真正面。このアングルだけは真名川ダムに来たら是非とも体験して欲しいアングルです。写真では絶対伝えきれない威圧感です。
 噴水の脇の建物は放流棟で、噴水用バルブ、維持放流用バルブ、不特定用バルブ、水力発電用バルブが設置されています。水力発電は真名川発電所とは別のもので、管理設備用の小発電設備です。余った電気は電力会社に売電しているようです。

 主な放流設備。これらが使用されているときは噴水は上がりません。クレストゲートはダム完成直後の試験以外ではまだ使用していません。また洪水調節時は放流量などコンピューターによって計算し、また手書きでも計算した上で確かめてから洪水調整を行っているようです。
 天端上は車がすれ違うことが出来るくらい広いです。クレストゲートの巻き上げ機が格納されていると思しき建物ですが、”堤頂ハウス”という素敵な名前が与えられています。

 上流の様子。まだこの上流には笹生川ダムと雲川ダムがあります。笹生川ダムで防ぎきれなかった洪水は、すべてこの真名川ダムに任されます。治水ダムの働きは何十年に一度の豪雨が無ければありがたみを知ることは出来ませんが、真名川ダムは2004年福井豪雨で輝かしい戦跡を収めています。(画像をクリックすると拡大されます)


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