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≪間瀬ダム インプレッション≫
竣工年は1936年(昭和11年)のダムで、歳月を経てにじみ出た品格と趣を兼ね備えた堰堤です。同時代でコンクリートで出来たダムと言えば発電用の堰堤が多く、いずれも負けず劣らず風格を持ったダムたちです。 |
≪間瀬ダム ポイント≫
上下流側ともに当時にダムをデザインした人が、いつの時代でもどんな世代の人が見ても美しく感じる優れた装飾を残しています。特に私のお気に入りは下流側のこの風景、日本の原風景を凝縮させたような箱庭のような風景がそこに広がっています。 |
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自由越流式の洪水吐がありますが、ゲートはありません。右岸側には取水設備があります。その操作室は近年になって作り直されているようで、ダムの景観にあわせた凝ったデザインのものです。取水は水位の高い場所から数えて第一から第三まで取水バルブがあり、さらに低い場所には排泥バルブがあります。 |
天端は自動車1台が通行できます。欄干はアールデコ調の影響を受けたような直線と円弧だけで構成されたデザインです。まっすぐな欄干に、縁取りは丸められ、バランスの良い間隔で半円でトリミングされた美しい欄干は見ていて飽きさせません。 |
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下流側は一部が蔦に覆われています。この時代のコンクリート建造物はダムに限らず蔦とよく調和しており、建造物が主張しすぎることもなく、しかし建造物が謙虚な存在感を持って風景に溶け込んでいます。 |
上流側は釣り船が係留されています。間瀬湖はへらぶな釣りの名所として有名です。夏場には釣り船の上で釣り人たちの手によってたくさんの日除け傘が開かれます。湖いっぱいに傘と船がならぶ風景が見られるようです。 |
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上流側の風景。私が訪れたときはちょうど午後3:30、船釣りが午後の3時までということで、船釣りの風景はみられませんでした。ちなみにこのダム湖の上流バックウォーターには砂防ダム(または貯砂ダム)があります。 |
ダムの下流側。普段の水量のときは中央の溝に水が流れるようになっています。ダム直下に人がいますが、ここに降りられるような階段なども無く、藪を突っきって行く形になりますので、むやみに立ち入らないほうが懸命です。 |
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ダムの下流側はのどかな風景が広がっています。写真中央の川が右に曲がったあたりに小さな頭首工があり、そこから受益地へと水が送られます。(二枚目の写真に取水設備が写っています) |
ダムの右岸側上流の風景。取水設備の操作室がまだ真っ白で新しいです。これから年月を経ていくことで周囲の風景とも溶け合ってよい味を出すことになると思います。 |
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操作室の中。まだ出来たばかりで、私が見てきたアースダムの中では極上の操作室です。ちなみに普通のアースダムでは大半が操作ハンドルが野ざらし、良くてもブロック塀やトタンに囲まれただけのお粗末なものです。 |
操作室の中に断面図や施設の設備の図がありました。この時代のダムにしては新しく新調されたにしても大変貴重でダムマニアにはありがたい案内物です。出来ればダムの歴史や背景、下流受益地などについても案内して欲しかったです。 |
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