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≪西勢ダム インプレッション≫
ダムの姿。右岸側に洪水吐があり、水たたき部が地山の地形を活かして、一段高い場所にあることが確認できます。 |
≪西勢ダム ポイント≫
【地山を生かした洪水吐】右岸側に良い岩盤があり、そこに水たたきを設けることで減勢効果を狙った作りだと思われます。淡路島の上田池も減勢部の一部が岩盤にありますが、これはもっと積極的に岩盤を生かしている洪水吐です。 |
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西勢水庫の下流側パノラマ。取水設備などの状況は立入禁止エリアがあって、不明です。草が伸びていますが、冬場に行けばもう少しすっきりした風景になるものと思われます。この写真は6月上旬に撮ったもので、台湾は日差しが強く暑い季節です。(画像をクリックすると拡大されます) |
水源路を南下していくと柵があります。車で来る場合はここに車を置いて300mほど歩くことになります。柵の脇に人が通れるスペースがあります。 |
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柵から少しあるくと堤体が見えてきます。なだらかな地形にダムが建設されているために堤頂長が高さの割にかなり長く感じます。下流域にあるダムの雰囲気です。 |
ダムの下流側は護岸整備がきちんとされていて、消波ブロックも並べられています。 |
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写真左中央に副ダムがあります。このダムの規模にしては長細い減勢池が設けられており、100mほどの長さがあります。減勢池の中でも消波ブロックの配置によって減勢効果を高めているように思われます。 |
洪水吐のアップ。手前の人物と比較してもそれなりの大きさのダムです。水たたき部も自然の地形を生かしているために、人工的な水路よりも見ていて退屈しません。 |
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堤体本体のアップ。戦前のダムですが、表面は石張りではなく普通にコンクリートです。しかし天端にはやや飾り気のあるものが見られます。天端に入れないのが残念です。 |
左岸側に天端に至る道があり、上りきったところで通行止めです。天気が良ければ開放されることもあるらしいのですが、詳細は不明です。監視カメラもありましたが、釣り人が乗り越えたような痕跡もありました。通行止めの先には基隆水道貯水池紀念碑があるのですが、見ることが出来なくて残念です。 |
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通行止めのゲートから天端を見ると、天端の手前にも板があって立ち入りできないようになっています。上水道ダムゆえの悩ましいところです。 |
ダムから1kmほど下流にダムのある西勢渓と東勢渓がぶつかるポイントがあります(渓は台湾では川の意味です)。そこに二つ並べられたお宮があります。一か所に二つのお宮があること自体珍しいのですが、一方はもともとはダムに沈む場所にあって、ダム建設中に何やらあったようで、当時の建設に携わった日本人がこの地に移したそうです。台湾の宗教を重んじる当時の日本人の性格が分かります。 |
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お宮のすぐ下流には暖暖浄水場がありますが、浄水場は立ち入り禁止です。浄水場の脇に資料館があります。中国語と英語のみですが、雰囲気だけでも伝わります。 |
ダムができる前の1902年に当時の東京帝国大学技師ウィリアム・K・バートンによって基隆水道、水源地が作られました。日本統治時代の台湾北部の公衆衛生事業の先駆けです。やがてダム建設に伴って今の場所に浄水場などが建設されました。施設の一部は今も現役です。ちなみにバートン氏は日本各地の上水道計画を立てた人物でもあり、日本でも台湾でも水道の父と呼ばれています。 |
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ポンプ場のすぐ脇にある堰。ポンプでくみ上げるための水位を調節するための堰ですが、ここでも良い岩盤に恵まれているそうです。あるいは岩盤の位置をみてポンプ場を建設したのかもしれません。 |